BPASSレポート vol.15 〜糠床を育てる〜

ビジネスパスポート 西村 美津子 です

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□□ 1.ヒトリゴト 〜糠床を育てる〜□□
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ここ何年か糠漬けを続けている。
ここに至るまで、失敗して捨ててしまったことも一度ではない。
糠は毎日空気にふれるよう、ひたすらかき混ぜる必要がある。
やらなきゃ、と、それを考えるだけで気持ちが重くなってしまう。
そこで無理をしないで続ける方法を探し、冷蔵庫で保管することで糠床の乳酸菌の活動を抑え、かき混ぜは1週間に1〜2回!というずぼら手法を採用。 確かに気軽で長続きできた。

そうやってだらだらと続いていたところに、昨年のコロナ禍。お家時間が増え、暇にまかせて冷蔵庫から取りだしては毎日かき混ぜるようになった。 おまけに、人と話す機会も減り、淋しさを紛らわせるために、糠床に「美味しくなあれ!」とひとりごとすることが日課となった。
すると、なんとも美味な糠漬けに変身!
今までのものとはどこか一味違う。
これを不幸中の幸いと言うべきか。

昔から糠床は愛情を込めて育てていくとちゃんと応えてくれるという。
そして、その糠は家宝とよばれ、代々引き継がれていったらしい。
ステイホーム期間が終わったとたん、毎日の日課が数日おきから週単位へと元に戻ってしまった。
相変わらず冷蔵庫のお世話になっている。

でもプレッシャーで押し潰され育児放棄するより、手を抜きながらでも続けていくことが大事。
継続は力なりなのだ。
今はスーパーで簡単に買うこともできるが、日本の伝統を微力ながら引き継いでいこう!と心に誓った。
年が明けた早々、緊急事態宣言が再発令され、また不安な日々がはじまった。
だけど憂鬱になってばかりじゃいられない。
お家時間が増えた分、今日は1週間ぶりに糠床を冷蔵庫からだし、かき混ぜてみよう。
美味しい糠床に復活した頃、きっとコロナも収束に向かうだろう!


(株式会社ビジネスパスポート 西村 美津子)