BPASSレポート vol.18 〜アフターコロナの経営を考える〜

ビジネスパスポート坂東 祥三郎 です

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□□ 1.ヒトリゴト 〜アフターコロナの経営を考える〜□□
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<何がどう変わろうとしているのか?>
世界的なコロナの蔓延により、コロナ後の経済規模
は必ず縮小する。
しかし、元に戻そうとするのではなく、新しい世界
を作ることを目指すべきと対応した方がよいように
考える。

日本の100年の変革は、
1)明治維新、2)敗戦、そして今回の3)新型コ
ロナという3度目の節目である。

1)鎖国時代での遅れを科学技術、資本主義制度を
  外国より導入し近代国家を形成
2)7年間という占頷下の苦悩を乗り越え、焦土と
  化した都市を近代都市に再生し、未曽有の経済
  高度成長を成し遂げた
3)今回の新型コロナ禍ではWEB会議は極めて短期
  間に普及し、リモートワークは仕事の仕方を
  一変させた。

そして、引き続き、乗り越えるべくあらゆる努力が
なされるであろう。
又、家族の新たな関係性が構築されつつある。
AIの活用によるオンライン学習は教育の質を大きく
変える可能性もある。
都市集中生活から地方への分散が新たな社会を開か
せる。

<新型コロナは本当に『敵』なんだろうか?>
宇宙に存在するものはすべてつながっている。
しかし、人間中心の生き方が、地球環境を破壊し、
いくつかの生物を絶滅に追い込んできた。命はつな
がりあっていること、人間は漁網の網の目に過ぎな
いことを、人間も多くの生き物のつながりで生かさ
れている、たった一つの命に過ぎないことを再確認
して、行動することを教えられていると思う。
変化の時は原点回帰こそが鉄則である。
人間が万物の霊長というのは錯覚であることに気づ
き、ピラミッドの頂点に存在するという誤解に気づ
くことである。

社会は共生、共存社会に。利己主義、地域紛争、経
済戦争を避け、企業は自社の成長発展だけではなく、
利害関係者と共益経営を目指さなければならない時
代となろう。会社はこれまでの株主至上主義ではな
く、地域との共生、地域の問題解決企業が評価され
るように益々なってくる。企業の目的は社会的課題
の解決であり、利益の獲得はその結果に他ならない。
2024年から1万円札肖像画に登場する渋沢栄一
の著作の『論語と算盤』はCSR(企業の社会的責任)、
CSV(共有価値の創造)の取り組みをさき取りした
考え方のようにも思える。

<そうした経営に求められる人材育成の目標は
どのようなものになるのか?>
勝ち抜くことを主眼に置いた『利己主張型人間』で
はなく、『利他的人財』へ。
組織はピラミッド型より、フラット型で、リモート
ワークにふさわしいネットワーク組織に。
又、仕事の進め方や意思決定は『直感・感性』が
『論理・理性』より重要になってきている。
家族を犠牲にする『会社第一人間』ではなく、
『家族の期待を満足させる、良い家庭人』が職場で
も健全な人間関係を築くことができ、仕事もでき
るビジネスマンの理想像となってきている。

<今後の経営に必要な人材教育とは?>
これからの社会を実りあるものにするために、
「共生・共益の循環型経営」を実践するとともに、
社員一人一人の力をいかに引き出していくかが、
人材教育の根本になる。

自律型人材育成は今後の世の中の変化に即応できる
必要不可欠な人材の育成に他ならない。


(株式会社ビジネスパスポート
  取締役 坂東 祥三郎)